日本において大麻を取り締まる大きな理由とされることの一つに、いったん大麻を使うと他のドラッグをも使用するようになり、他の薬物への入り口となるという意見がある。近年、欧米の政府機関により、この理論についての再考察が盛んに行われている。
2005年のイギリス国会下院科学技術委員会の報告書は、様々なドラッグやゲートウェイ理論に関して幅広く考察しているが、この中で、イギリス国立薬物乱用センターのストラング博士は、「(大麻をゲートウェイとする同じ論旨では)小学校に行くことはヘロイン中毒患者になるゲートウェイですが、そこに何らかのつながりを見出そうとは誰も思わないでしょう。」と語っている。また、薬物乱用諮問委員会会長の マイケル・ローリンズ卿は「若い頃のニコチンやアルコールの使用は、続く薬物の乱用に対してカナビスに比べはるかに広い入り口である。」と語っている。同報告書は、「われわれには大麻のゲートウェイ理論を支持するいかなる証拠も発見できなかった。」と結論付けている。
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2006年に発表された、米国国立ドラッグ乱用研究所(NIDA)がピッツバーグ大学に委託をし行った研究では、224人の少年を対象に10才または12才から22才になるまでの10年間あまりを追跡調査をしている。その結果、「ドラッグ乱用を進める順序について、特定のドラッグが起点になっていることも、また決まったドラッグの次になっていることもない」 と結論付けている。この研究は、元来ゲートウェイ理論を唱えていた機関が研究の目論見と正反対の結果を見出し発表したことで注目された。
2006年に発表されたワシントン医科大学他による、大麻や他のドラッグを使用している4000人を越えるオーストラリアの双子を対象にした大規模な研究でも、長期間の追跡調査の結果、大麻に他のドラッグの使用を引き起こすような順序関係はないと結論を出している。また、仮に何らかのゲートウエイ効果があったとしても、それは 「大麻が法規制されているため、ユーザーをブラック・マーケットのディラーと結びつけ、そのディラーが他の違法ドラッグの供給源になる」 ためだとしている。